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アスリートレポート

athlete report

中日新聞記事 社会面

[2011/10/25]

 

[記事全文]
ぺナントレースを駆け抜けたドラゴンズ。一流選手にも知らず知らずに疲労は蓄積される。医療機器メーカー、サンメディカル(名古屋市瑞穂区)は竜戦士の全力プレーを支える会社の一つ。
装置が置かれた本社ショールームには、選手たちが続々と訪れる。 (中崎裕)

 「プゥーーウウン」と甲高い電子音が高くなったり低くなったり。ショールームの寝台横に置かれた機器から、患部に向けて、微弱電流を流す。一人あたり40分ほど。微弱電流のほか、細胞を活性化させるとされる低周波や振動を送る機器も使い、選手たちの体を癒していく。

2種類の機器は主に病院や接骨院に納入される。横浜ベイスターズ時代のチーム医に紹介された谷繁元信捕手(40)からの口コミで、ナゴヤドームにも置かれている。ただドームには2台しかないため、練習後の選手らにショールームを提供している。右と左のエース、吉見一起投手(27)とチェン・ウェイン投手(26)ら常連は15人ほど。故障時には週5日間通う選手もいて「いつも予約でいっぱい」という。

 竜戦士以外にも、サッカーやゴルフ選手らアスリートたちの隠れ湯治場のような存在になっている。24日には、ドラゴンズの元エース、小松辰雄さん(52)と、次女でプロゴルファーの亜有さん(23)の姿も。多いときは週に2日訪れるという亜有さんは「足の痛みがよく取れるんですよ」。小松さんも「筋肉の張りが和らぐ。現役時代に出会っていたら二百勝できたかもしれないな」と笑った。

 チームは、選手の故障情報が外に漏れることを極端に嫌う。サンメディカルの岩田利彦会長(56)が細心の注意を払うのも、そうした情報管理。「選手から『優勝の力になった』と言ってもらえるのがうれしい。これからも縁の下でサポートできれば」。黙々と選手の充電を助ける。  [ 中日新聞 11/10/25付 社会面 ]